上手な退職・下手な退職

妻の年金はどうなっているの?

女性(妻)が結婚後、会社を退職して専業主婦になる前のOL時代は、厚生年金に加入しているはずです。そして、当然、保険料が給料から天引きされていたことになりますが、その保険料は、65歳以上の年齢になったときに加入年数分の年金が老齢厚生年金として支払われます。

そして、サラリーマンの夫と結婚して、パートに出ても年収が130万円未満だったとしたら、国民年金の種別が第2号被保険者から、第3号被保険者に変わります。第3号被保険者の届出は平成14年4月から会社がすることになったため、保険料の支払いが必要なくなります。それは、夫が所属する厚生年金から妻の保険料を国民年金に支払っているからです。

 
 

ところが、夫が退職して厚生年金保険被保険者の資格を喪失すると、妻は第3号被保険者の資格を失い、第1号被保険者に変更となります。また、60歳未満の妻が夫と離婚した場合も同様に第1号に種別変更しなければなりません。この手続きは、夫の退職日から14日以内に市区町村役場の国民年金担当窓口で行います。

この種別変更手続きを行わずに、そのまま滞納しつづけると最低25年の受給資格を満たせなくなることもあります。

 

■種別変更の手続きを忘れずに

上記で述べたとおり、夫の退職や離婚によって国民年金の種別が変更するにも関わらず、その変更手続きを済ませなかった場合は、国民年金の受給資格の最低25年以上の受給資格期間をみたせなくなり、年金がもらえなくなることがあります。

また、年金額を計算するときの保険料納付月数が少なくなり、もらえる年金の額も少なくなります。仮に、妻が60歳になるまであと3年あった場合、その3年間の間、保険料を滞納してしまうと年金の支給額は年間約6万円ほど少なくなってしまうのです。

それに、再就職日までに1ヶ月以上の空白があれば種別の変更は必須でも述べたとおり、保険料滞納期間が1ヶ月でもあると、もしもの事故によって障害が残ってしまった場合でも、障害年金を受けられなくなることもあります。再就職時や種別変更時のわずかな期間であろうと、1ヶ月以上の空白期間があるならば種別変更の手続きは必ず行っておくべきです。

以上のことから、妻が満60歳に満たない年齢ならば、退職者本人の手続きだけではなく、妻の被保険者種別変更届けを忘れずに提出するようにしましょう。なお、種別変更の手続きを忘れいてた場合、2年間まで遡って保険料の納付をすることができます。

 

■種別変更手続きの際に持っていくもの

種別変更手続きの際に持参していくものを以下に記します。

(1) 配偶者(夫)の基礎年金番号のメモ
(2) 夫の厚生年金保険被保険者資格喪失証明(社会保険事務所でもらいます)
(3) 印鑑(認印)