上手な退職・下手な退職

退職・転職する理由を明確にしよう

あなたは、今の会社を退職する明確な理由がありますか?勿論、今の状況に不満があるからこそ退職をしようと思ったのですから、それなりの退職理由はお持ちなのでしょう。

しかし、ここでもう一度よく考えてもらいたいのは、あなたは本当に退職、もしくは転職する必要があるのかどうかということです。

 
 

 

よくありがちな退職理由として、「給料が安い」「残業が多い」「仕事が面白くない」などの待遇面での不満が理由で自己都合退職し、再就職したはいいけど、また同じことの繰り返しですぐに会社をやめたくなり、「これなら前の会社にいたほうがよかった」と後悔してしまうケースです。これは、まさに私のことでもあります(笑)。

このような理由で会社を辞めることは、別になんの不思議もないことですが、軽い気持ちでより良い職場環境を求めて転職をしてしまうと、結局は、同じ事を繰り返してしまうことにもなるかもしれません。仕事に求めるものは人それぞれ異なり、それは、高い給与であったり、自分の時間であったり、仕事のやりがいであったり、それこそ十人十色です。

 
 

そして、その仕事へのあこがれや充足感を求めて転職するのは心理的には理解できますが、果たしてそれが、自分の人生を長期的に見ることができているかという話になると必ずしもそうではない現実があります。

勿論、短い人生を考えた場合、早いうちに会社を見切ることは時間を無駄にしないためにも非常に大切なことではありますが、自分の努力次第で今の職場における自分の立場や状況を変えられる余地があるとしたら、無理に転職する必要性を感じませんし、逆にそのような困難を切り抜くことができたら、それがまた自分の経験となり、人間的にもひとまわりも、ふたまわりも成長できるキッカケになるかもしれません。

 

◎転職前のチェック項目

1. 退職・転職する明確な理由・動機を確認すること
2. 今の仕事への満足度を確認する
3. 5年先、10年先の人生設計、人生の目標を立ててみる

 

転職は人生の転機 - 5年先のライフプランニング -

転職は、人生において大きな転機です。転職をしたことによって、前の会社では味わうことができなかった充実感を味わえるかもしれないし、逆に、新しい職場では自分の能力が発揮しきれずに、失敗してしまうかもしれません。自分の人生を180度変えてしまう可能性を含んでいるという点で、転職は人生の転機と言っても決して大袈裟ではないのです。

この大きな転機を乗り越えるには、まずは、しっかりとしたライフプランニングを考えることが大切です。それこそ、5年先、10年先の自分がどうありたいのかを想像してみてください。そして、その転職が自分の生き方や自分の人生と、どう重なっているのかを考えてみてください。

仕事にやりがいを感じたい、地位や名誉を得たい、妻や子供との生活を大切にしたい、大金持ちになって世界旅行がしたい、社会奉仕がしたい、老後を不自由なく楽しく暮らしたい…どれもこれも全てあなたの生き方です。自分の生き方や目標と照らし合わせて、それがあなたの望む転職であるならば、仕事に対して割り切ることもできるし、成功する確率も高くなるでしょう。

 

仕事への満足度をチェックしてみよう

今の会社を退職したいと思った背景には、仕事へのそれなりの不満があるからだと思います。退職する前に、今の自分の仕事にどれだけ満足しているのかを以下のチェック項目で考えてみてください。

今の仕事は、自分が本当にやりたかった仕事ですか?
仕事にやり甲斐を感じていますか?
労働時間や給与に満足がいっていますか?
職場の人間関係はうまくいっていますか?
5年後も今の仕事(職種)を続けていたいですか?

転職したいと本気で考えたとき、上記のチェック項目全てに「NO」が当てはまることも決して珍しいことではありません。全てではなくても、3つないしは4つ以上当てはまる人は、良い条件で仕事があるならば一刻も早く転職したいと思っているかもしれませんね。

ここで、もう1点考えてもらいたいのが、自分のモノサシだけで仕事の満足度を考えるのではなく、世間一般の目で見て、「自分の会社」や「自分の満足度」がどの位置にランクづけされるのか、考えてみることでしょう。友達に相談してみたら、友達はもっとひどい職場環境で働いていたというケースだってあります。

周囲の環境から比べたときに、自分の会社がどの程度にランクづけされるのかを知っておくことで、転職するべきか、そうでないかを測るバロメーターになるでしょう。