「会社は円満退社するべき」とは世間ではよく言われる話ですが、実際には円満退社できるケースなんて限られているのではないでしょうか。
結婚退社や出産退社など、めでたく退社できるならまだしも、退社理由の大半は人間関係なのに、その人間関係を良好にして辞めていくなんてことはよほど善人でない限りは不可能です。
ですが、退職後の人脈を大切にすることを考えれば、割り切った円満退社も可能なはずです。自分が相手を利用してあげるつもりで円満退社を心掛ければ良いのです。在職中に仲の良かった人、お世話になった人は勿論、気に入らない人、敬遠しがちだった上司、疎遠になりがちだった人などにも退職後は、挨拶状を送るようにしましょう。
なお、私自身の話で恐縮ですが、円満退社をするとやはり運はめぐってくるものだと思いました。退職後、すぐに系列会社の知り合いから勧誘の話を頂きましたし、その1年後にもお世話になった方から突然電話がかかってきて、自分の会社にこないかという誘いを受けました。
人脈はどこでつながるかはわかりません。円満退社を心掛ければ結果的に自分に利益が跳ね返ってくるのです。派遣会社に勤めている方は、自分の会社だけでなく派遣先の会社のお世話になった方にも挨拶状を送るようにしましょう。
挨拶状は、退職後、すぐに郵送するのが好ましいので最低でも退職の10日前までには、用意しておきましょう。
また、疎遠になりがちな人の場合は、相手の住所すら知らない可能性もありますので、退職前に一度コンタクトを取っておき、住所・電話番号などを予め聞いておきましょう。
もし、挨拶状を書く暇と時間がないという方は、有料になりますが、挨拶状ドットコムのような業者に作成を依頼してもいいでしょう。だいたい2~3日もあれば郵送されてくると思います。
退職にも、「円満退社」「出産退社」「結婚退社」「定年退職」と退職方法は様々ですが、基本は以下のような例文を参考にして、ところどころ自分の退職状況におきかえて文章を変更してください。以下に、挨拶状を書くときの注意点を掲載しておきます。
■退職時の「挨拶状」の注意点
① 書き出しの冒頭は、季節の挨拶から書き始めます。ここでは、「新緑の候」。
② 退社時の年月日、退社する会社名、在職中の厚情に対する感謝の言葉。
③ 退社後の予定・進路(転職先が決まっているのか、決まっていないのか)
転職先が決まっていなければここはアピールポイントです。
④ 今後とも変わらぬ付き合いをお願いしておきます。
⑤ 相手のの幸せを祈る言葉で締めくくります。
⑥ 電話番号まで記入しておけば、連絡をもらえる可能性があります。