年金はだまっていてはもらえないとはよく耳にする話ですが、これは本当の話です。年金は、全て自分から請求するのが基本となっており、ご丁寧に請求を行うような通知が送られてくる事はありません。もしも、請求を忘れてしまった場合、気がついて請求してもそのときからさかのぼって5年間分(時効)までしか支給されません。
このようなことにならないためにも、退職前にはまず最寄の社会保険事務所で相談しましょう。その際、年金手帳と印鑑は忘れずに持参してください。
年金の請求には「国民年金・厚生年金保険老齢給付裁定請求書」が必要となります。この書類を社会保険事務所、もしくは市区町村役場でもらい、必要事項を記入し、最後に勤めた会社を管轄する社会保険事務所へ提出します。他の人に代理で行って貰う場合には、委任状が必要となります。
なお、国民年金のみに加入していた人は、市区町村役場に提出します。
手続き後、2ヶ月ほどすると「年金証書」と「年金裁定通知書」が郵送されてきます。「裁定通知書」は、年金証書と一体になっており、厚生年金保険の被保険者月数や年金額の計算内容などが記載されていますので、大切に保管しておきましょう。
■現況届は2年目から毎年提出する
年金の支給は、請求した日に関わらず、受給権を取得した月の翌月から支給されます。請求が遅れた場合、たまった分はまとめて支給されます(ただし、時効は5年)。
年金の受給が開始されると、翌年の誕生月から1年ごとに、「現況届」(年金受給権者現況届)が社会保険業務センターからおくられてきますので、これを月末までに返送します。もし、現況届を提出しなかった場合、一旦、年金の支給が差し止めされますので注意しましょう。差し止めされた分は、提出後に、差し止められた時点に遡って支給されます。
障害年金や遺族年金も同様に現況届を提出し、障害年金の場合は、診断書も提出します。
因みに、退職後、雇用保険の失業給付を受けている間は、年金の支給が停止されます。また、会社に継続して在職している場合は、全額または1部が支給停止されます。
老齢年金の受給期間中に、再就職したり、配偶者や子供が死亡または独立した場合、あるいは、2種類以上の年金がもらえるときは、年金額が変更される事もあります。年金を多く受け取ってしまうと後で返還(または内払調整)しなければならなくなり、面倒になります。
老齢厚生年金受給者が死亡した場合は、受給資格者が死亡した当時に生計を同じく維持していた家族に遺族厚生年金が支給されます。死亡届をもって10日以内に年金を請求しましょう。