派遣スタッフとして実際に働いている人でもあまり意識することはないかもしれませんが、派遣には「登録型」と「常用型」の2種類の形態があります。以下では、この両者の違いやメリット・デメリットについて説明します。
■「登録型」とは＝「一般労働者派遣」
人材派遣として働くひとたちの大半は、「登録型」の形態をとっています。つまり、求職者が派遣会社に登録しておき、派遣会社からの条件明示があったときにのみ就業するスタイルのことで、「一般労働者派遣」と呼ばれています。当サイトで紹介している派遣会社の形態は、主に「登録型」であると思って読み進めてください。
一般労働者派遣事業を行う場合、厚生労働大臣の認可を受ける必要があり、ほぼ全ての派遣会社は一般労働者派遣の形態をとっています。
派遣スタッフとしての賃金は、「時給 X 労働時間」で計算され、手当や賞与、退職金などは支払われません。また、常用型派遣と比較して、一般的に給与は少ない傾向にあります。
■「常用型」とは＝「特定労働者派遣」
常用型とは、派遣会社の常用社員として派遣されるタイプのことで、「特定労働者派遣」と呼ばれています。これは、派遣会社自らが、正社員や契約社員として常用雇用という形で雇い入れ、そこから派遣先企業のニーズに応じて派遣されるというしくみになっています。
派遣会社との雇用関係は、社員が退職するまで無期限に続き、派遣先で働いている期間も、また働いていない待機期間も派遣会社の社員として雇用されていることになりますので、安定した収入を得られるというメリッﾄがあります。
給与は、月給で支払われることが多く、手当や賞与、退職金などが支払われるので、「登録型」より安定してします。職種でいうと、IT関連のエンジニア、技術職、企画立案などの豊富な知識と経験をもった人材が常用型スタッフとして雇用される傾向にあります。
一般的に、「登録型」派遣よりも給与が高く設定されていますが、優秀な技術や豊富な知識・経験があるものでない限りは、常用型スタッフとして道は厳しいといえるでしょう。
IT系エンジニアの職種では、この常用型派遣の求人が多く見られます。常用型と登録型の違いをよく知らずに、「正社員採用だからラッキー」と思い、いざ入社してみたら、実際に働く場所は派遣先企業だったというパターンはよくある話です。
特に、自社で製品を開発していない企業の場合、技術を提供することで（技術者を派遣することで）会社の経営がなりたっているので、求人広告に「派遣」の文字はなくとも、まず間違いなく派遣されると考えてよいでしょう。