公的年金制度において、国民年金の加入は強制加入となっているため、年金に加入するかしないかは個人に選択権はなく、加入しなければならないものとして法律で定められています。
しかし、そんな遠い先の年金なんてあてにはならないと考える国民は多く、保険料滞納者は、その割合にして4割近くにのぼるといわれています。特に若年層に滞納者が多く、年齢が高くなるにつれて納付率が高くなっています。
厚生年金の保険料は、保険料納付者の老後に備えて積み立てられているわけではなく、現在、高齢者がもらっている年金に化けています。しかし、来たる少子高齢社会の到来によって、年金の支給年齢は60歳から65歳に引き上げられ、給付は切り下げされ、保険料は値上がる一方の中、国民が不信感を募らせるのは当然のことといえるでしょう。
ですが、ここでもう一度よく考えてみてください。今はまだ若いし、そんな先のことなど関係ないと年金を滞納している方もいると思いますが、なんらかの理由により死亡しない限りは、誰にでも等しく老後はやってくるのです。自分が65歳になって、周囲のおじいさんおばあさんが年金をもらっているのに、ひとりだけ年金をもらえず惨めな気持ちになることもあるかもしれません。
生涯遊んでくらせるほどの大金を稼いだ人でもない限りは、お金なんてそんなに簡単に稼げるものではないことは十分に理解しているでしょうし、老後の年金なしでは生活が苦しくなることぐらい容易に想像できるでしょう。自分のため、妻のため、家族のため、将来の老後のために、国民年金はきちんと払うようにしましょう。
民間のサラリーマンや公務員が加入する国民年金第2号被保険者には、国民年金の上に2階建て、3階建ての上積み年金給付があり、国民年金(基礎年金)を1階部分としたら、厚生保険および共済年金が2階部分という構造になっています。
どういうことかというと、民間サラリーマンは厚生年金に、公務員は共済年金に加入すると、自動的に1階部分の国民年金にも加入する事になります。将来、老後になってから厚生年金を含めた老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)がもらえるかどうかは、1階部分の国民年金の受給資格要件を満たしているかどうかによるのです。では、その要件とはなにか、以下で説明していきます。
◎サラリーマンの2階建て年金
なお、自営業者や自営業者の妻、学生、無職の人などの第1号被保険者は、国民年金が1階部分となるので、厚生年金のように上積みの年金給付とはなっていません。この場合、国民年金基金に加入する事で年金額を増やす事ができますが、加入は本人の自由意志となっています。
上記で述べたように、老齢年金がもらえるかどうかは、国民年金がもらえる条件をチェックしなければなりません。国民年金がもらえる条件は、以下に記す期間を合計して最低25年以上(300月)あることが必要です。
国民年金の加入年齢は、20歳以上60歳未満となっているので、40年間保険料を納付してはじめて満額の年金を受け取る事ができるのです。
(3) の合算対象期間とは、昭36年4月から昭和61年3月までの、国民年金に加入できる人が加入しなかった期間のことで、「カラ期間」と呼ばれています。このカラ期間は、合算の対象となりますが、年金受給額には反映されません。