失業手当(雇用保険の失業給付金)の受給期間は、「雇用保険の被保険者期間」、「年齢」、「会社の辞め方」(自己都合か会社都合か)によって、それぞれ受給期間が異なってきます。できるだけ多く失業手当をもらえるように、退職前に予め、基本手当の受給期間がどのぐらいになるのか以下表で確認しておきましょう。
※「所定給付日数」とは、失業手当がもらえる日数のことです。
◎自己都合退職の場合
被保険者期間 | 5年未満 | 5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上 |
---|---|---|---|---|
所定給付日数 | 90日 | 90日 | 120日 | 150日 |
◎会社都合退職の場合(特定受給資格者)
被保険者期間 ---------- 年齢 |
1年未満 | 5年未満 | 5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上 |
---|---|---|---|---|---|
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | - |
30歳以上 35歳未満 |
180日 | 210日 | 240日 | ||
35歳以上 45歳未満 |
240日 | 270日 | |||
45歳以上 60歳未満 |
180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上 65歳未満 |
150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
上記表を見てもらえば分かるとおり、最も優遇されているのは、「会社都合」で会社を退職した「45歳以上60歳未満」の雇用保険被保険者で、なおかつ、その被保険者期間が「20年以上」の者になり、所定給付日数は最大で330日も受給することができます。つまり、リストラに遭った中高年層あたりが最も優遇されるわけです。
逆に、自己都合で退職した場合は、年齢に関わらず、雇用保険の被保険者期間が10年未満ならば、給付日数が一律90日となっており、会社都合で退職した場合と比較すると、30日~90日の開きが生じ、自己都合退職がいかに損な会社の辞め方であるかが一目瞭然です。
上記で説明したとおり、失業手当をより多く受給するためには、雇用保険の被保険者期間が「5年以上」、「10年以上」、「20年以上」といった節目の年で会社を辞めるのがベストといえるでしょう。会社都合退職の場合は、自分の年齢も考慮にいれましょう。
■自己都合退職の場合
雇用保険の被保険者期間が「10年以上」「20年以上」の節目で会社を辞めるようにしましょう。でも、辞めたいと思っている会社に8年勤続して、残り2年を耐えるのはもしかしたら辛いかもしれませんね…(笑)。
■会社都合退職の場合
雇用保険の被保険者期間が「1年以上」「5年以上」「10年以上」「20年以上」の節目で会社を辞められるように取り計らいましょう。例えば、「希望退職」に応じるケースならば、退職の時期を多少なりともズラすことが可能になります。希望退職は、会社都合扱いとなります。なお、「希望退職」の定義は、離職前1年以内に導入され、なおかつ、募集期間が3ヶ月以内のものに限りますので注意しましょう。
年齢の面では、「30歳以上」「35歳以上」「45歳以上」の節目の年齢で退職するのがベストです。但し、60歳以上になってしまうと、所定給付日数が30日間~最大90日間も減少してしまうことになるで、60歳になる前に退職できるようにしましょう!