派遣社員として働くためには、自分に合う派遣会社を探し、スタッフ登録して、あとはお仕事をもらうだけです(笑)。
当たり前のことのように見えますが、この当たり前のことに戸惑う人が多いのも事実です。特に、新卒採用で入社し、その数年後に会社を退職、「さぁ、仕事を探そう」と思ったときに、就職活動の仕方を知らない人が意外に多いのには驚かされます。
これは、学生時代に学校が全てサポートしてくれて仕事を紹介・斡旋してもらっていたという人に多いようです。そして、「受ければよかったのに」と言うと、「受けさせてくれなかった」という驚きの発言まで飛び出してきたりします(笑)。
就職活動は本来「受けさせてくれなかった」というものではなく、「自分から受けにいくもの」という攻めの姿勢が基本です。学生時代に学校にやってもらっていたことは、いうなれば、ハローワーク(職安)や人材紹介会社が行っているサービスと似ています。
もし、就職活動を本格的に行うのがはじめてで、右も左もわからないというのであれば、プロの視点からアドバイスを受けられる「リクルートエージェント」「typeの人材紹介」「インテリジェンスの転職支援」などの人材紹介会社を利用するのもひとつの手です。
ただし、人材紹介会社で紹介してもらう場合は、一般的に正社員 もしくは、契約社員採用になるので、どうしても派遣社員で働きたいという方には向いていません。そういう方は、まず何より派遣会社に登録することからはじめます。
派遣会社は、大手企業から中小企業までその規模はさまざまです。中には、2~3人規模で運営している小規模な派遣会社も多数存在します。そして、そういった小規模な派遣会社は、マンションの一室にあることがほとんどです(笑)。
わたしも何事も経験とおもい、多くの派遣会社の面接に足を運んだりしましたが、本当にいろんな会社があるなぁ~という印象を受けました。いかにもやる気のない派遣コーディネーターから、なんでもこなしてくれる親切なコーディネーターなど、いろいろな派遣会社に遭遇します。
そんな様々にある派遣会社ですが、ここではまず、派遣会社大手5社に入るアデコを例にとって派遣社員として働くための流れを説明してみます。
まずは、以下のサイトからアデコのホームページにアクセスし、Web仮登録をすることからはじめます。これは、アデコに限らず、どこの派遣会社でも同じです。
(1) Web仮登録をする
サイトにいくと「今すぐWeb登録」というボタンがあるのでそれをクリックします。もしくは、自分の希望の仕事があるかどうかを求人検索して、「この仕事に応募する」をクリックすると、Web仮登録画面がでてくるので、基本事項を入力して登録します。
アデコの場合、Web仮登録をしておくと、希望の仕事が届くと連絡をしてくれます。また、実際に本社にいって本登録する際に、手続きの処理を30分~1時間ほど短縮させることができるので、もしアデコに登録を考えている方は、予め、Web仮登録しておいたほうが良いでしょう。
(2) 来社予約をする
Web仮登録を済ませると、アデコのスタッフから、メールにて登録予約の仕方についての説明が届きます。自分の都合に合わせて、来社予約を済ませてください。
(3) 本登録する
来社予約を済ませたら、全国にあるアデコの登録拠点に出向き、派遣社員として本登録を済ませます。この際、職務経歴書、印鑑、振込口座のわかる手帳、本人確認できるものなどを持参します。
登録時には、その人のもつ経験やスキルについて詳しく聞かれます。スキルチェックも行われるかもしれません。その後、派遣社員として働くにあたっての希望条件を聞かれますので、これこれこういう仕事がしたいということを明確に伝えられるようにしておきましょう。
(4) 仕事の紹介
本登録を済ませると、その当日にお仕事が紹介されます。これは、派遣会社によって異なりますが、当日に紹介してくれる場合もあれば、条件にみあった会社が見つかり次第、後日、連絡するというパターンがあります。基本的には、後日連絡のパターンが多いと思います。
もちろん、紹介された仕事を断ることはあなたの自由です。登録型派遣の場合、実際に派遣先が決まるまでは、あなたと派遣会社の間にはなんの雇用関係も発生しません。
仕事を紹介してもらう立場上、「仕事を紹介してもらうから文句はいえない」という求職者の心理をついて、執拗に仕事を押し付けてくる派遣コーディネーターも中にはいます。しかし、覚えておいてもらいたいのは、派遣先が決まるまであなたと派遣会社の立場は平等なのです。
派遣会社側からすれば、あなたを求人先企業に派遣させることで、紹介料として利益を得ています。その時点であなたは、派遣会社に利用されているのだから、わたしたち求職者側も、派遣会社を徹底的に利用してやるという気持をもち、自分の希望条件にあった案件を見つけてもらえるまでは断固として動かないという姿勢も時には大切でしょう。
(5) 就業決定・雇用契約
希望する条件の仕事が見つかったら、派遣会社のコーディネーターとともに、派遣先企業に面接をしにいきます(勿論、ひとりで行くこともあります)。
この時、派遣先企業は、あなたの人とナリ、技術や経験をみて採用するかどうかを決定するわけですが、それはわたしたち派遣スタッフも同様です。これからしばらくの間、自分が働く場所となるわけですから、派遣先企業の具体的な仕事内容、社風などをしっかりと見極めなければなりません。
入社してから「こんなはずじゃなかった」というミスマッチが起きないようにするためにも、派遣される企業の研究はきちんとしておきましょう。なお、このようなミスマッチが起こる原因の大半は、派遣コーディネーターの手抜きにあります(笑)。詳しくは、以下のリンクを参照してください。
無事、就業が決定すれば、派遣会社と派遣スタッフの間で雇用契約が結ばれます。
(6) 就業開始
就業が決定したら、派遣先企業でお仕事が開始です。アデコの場合は、就業期間中でも、定期的に職場にうかがい、派遣スタッフが気持ちよく働けるように、万全の体制でサポートしてくれます。
これは、基本的にどこの派遣会社でも同様ですが、中には、雇用契約を済ませたら、それ以後、派遣コーディネーターと一切連絡をとることはなくなったというケースもあります。派遣スタッフにとって、派遣コーディネーターは、派遣先企業でトラブルがあったときの唯一の頼りになる存在なので、こまめに連絡をとるなどして、できるだけ信頼関係を築いておきましょう。
以上の過程を踏むことで、ようやく派遣社員になることができます。
就業後のサポートは、派遣会社の規模の大小によって決まるところがおおきく、大手の派遣会社は、福利厚生や教育制度、社会保険などが非常に充実しています。逆に、小規模な事務所経営の派遣会社は、福利厚生が充実していません。
小さな会社は小さな会社なりに、ひとりひとりの派遣スタッフを親身に見てくれることがある反面、少数精鋭で数多くの派遣スタッフの面倒を見なければならないことから、ひとりひとりに対するサポートが行き届かないという短所もあります。
いずれにしろ、就業後も安心して働けるようにするには、派遣会社を見る目を養う必要があるといえるでしょう。1回でも派遣会社に登録して働き出すと、「あの派遣会社は良い」「あの派遣会社はだめだ」という噂がいやでも流れてきます。
四の五の考えず、とりあえず派遣業界に飛び込んでみるのもひとつの経験かもしれませんね。