失業給付を受け取るためには、退職したらすぐに自分が住んでいる地域を管轄する公共職業安定所(職安)に行って、失業給付受給の手続きをしなければなりません。給付を受けられるのは、原則として退職日の翌日から1年以内と決められているため、「面倒だからしばらくたってからでいいや」とぐずぐずしていると、もらえるはずだった基本手当を全て受給する前に期限がきれて無効になってしまう事もありえますので注意が必要です。
特に、45歳以上60歳未満の人で、雇用保険被保険者期間が20年以上で、会社都合で退職した場合は、最大330日の給付期間があるため、全ての失業給付を受給するためには、最低でも1ヶ月以内(正確には35日以内)に手続きを済ませなければ間に合わないことになります。後になってから泣きをみないように、退職したらすぐに失業給付受給の手続きを行うようにしましょう。
自己都合退職と会社都合退職の違いでも述べたように、退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによって、その受給の流れは大きく変わってきます。つまり、基本手当をもらえるまでに3ヶ月の給付制限がある人と、給付制限がない人です。
解雇や倒産、定年退職などの会社都合が理由で会社を退職した場合は、給付制限がなく、自己都合で退職した場合は3ヶ月の給付制限がつきます。
まず、退職すると会社から1週間~10日以内に離職票が郵送されてきます。その離職票をもって、公共職業安定所(ハローワーク)に行き、求職の申込みをします。求職の申込みは「働く意志がある」ことを証明するための書類なので、受給資格を受けるには必ず提出しなければなりません(失業給付の受給資格要件を参照)。
求職票には、職種、勤務地、月収、勤務時間休日などについて自分が希望する条件を一通り記述します。高望みしない範囲で平均値を記入しておくのが無難でしょう。求職票を書き終えたら、職業相談窓口に提出し、窓口の係官と簡単な面接を行います。
その後、離職票や求職票が受理されると、その日が「受給資格決定日」となり、この日から晴れて失業が公に認められます。受給資格決定日の初日から通算して7日間は待期期間といい、7日間の失業期間が経過するまでは基本手当は支給されません。また、待期期間終了までの間にアルバイトなどをしてしまうと、この7日間にカウントされずに待期期間が先送りされてしまうので注意が必要です。
受給資格が決定したら、7日間の待期満了後に設定される「雇用保険受給説明会」(受給資格決定日から約1週間~2週間後に)が行われますので必ず出席しなければなりません。
ここまでは、「自己都合」も「会社都合」も共通した流れになります。
■会社都合退職の場合
7日間の待期満了日の翌日から基本手当の支給対象となり、「受給資格決定日から4週間後」に基本手当が支給されます。実際に口座に振り込まれるのその2~3日後です。また、受給資格決定日から4週間後に設定された失業認定日には必ず出席しなければなりません。
■自己都合退職の場合
一方、自己都合退職で会社を退職した場合は、この後、3ヶ月間の給付制限が課せられ、3ヶ月が経過した日の翌日から基本手当の支給対象となります。会社都合で退職した給付制限のない場合でも実際に口座に振り込まれるのに一ヶ月はかかるのに、自己都合で退職した場合は、受給資格決定日から4ヶ月も先のことになってしまいます!
なお、会社都合の場合と同様に、自己都合の場合も失業認定日には必ず出席する必要があります。自己都合の場合は、給付制限期間満了日の翌日から1週間~3週間後に設定されます。