まず、当サイトを制作しようと思ったきっかけから説明したいと思います。
大きな声ではいえませんが、私の年齢は現時点(2006年)で29歳、すでに3回ほど転職いたしました。派遣会社に勤めていた事もあったので、派遣先なども含めてしまうと勤めた会社の数は結構な数にのぼります。
これを多いか少ないかと考えた時、一度も転職した事がない人から見れば「信じられない」と思うでしょうし、すでに何度も転退職を繰り返している方から見れば「3回なんて少ない方だよ」と思う事でしょう。おそらく、世間一般の目から見れば3回の転職はきっと少ない部類に入るのではないかと思っています。特に、私のようにIT系の会社に勤めている方にとって、転退職はごくごく日常的かつ当たり前の事になってはいないでしょうか?
勿論、転職の理由がスキルアップのためという人もたくさんいるでしょうが、実際は、「残業が多すぎる」「残業代が支払われない」「給与が少ない」「陰湿な社内環境」などの労働条件面が劣悪なために、より良い環境を求めて転職する人の方が圧倒的に多いような気がします。
私が転退職を繰り返してきたのは、主にこの労働条件面で納得がいかないことが多かったからです。勿論、全て会社側が悪かったというつもりはありません。会社を選んだもの自分だし、会社を退職せざるをえなくなったのも自分になにかしらの非があったからかもしれません。
しかし、批判を恐れずあえて言わせてもらうなら、求職票どおりの会社が果たしてあるのでしょうか?私はほとんどなかったと思っています。私は学生時代も含め、面接した回数を数えたら50回は軽く超えます。いろいろな会社の受付窓口を見てそしてわかったこと。それは、会社の中身なんて入社してみなければ絶対にわからないということ。
私が入社した会社の経験談になりますが、面接時には「残業代は40時間までは支給されます」と聞いてそれで納得して入社したにも関わらず、いざ入社してみたら月に120時間を超える残業が待ち受けていた関わらず、残業代は1円も支払ってもらえませんでした。さらには、残業時間は自己申告制のため、正確な残業時間を申告しようとしたら、直属の上司から「月に40時間になるように適当にあわせておいて」と言われました。「はぁ?」と思いました。
勿論、その事についてすぐに部長クラスの上司に「話が違うじゃないか」と抗議しにいきました。その時言われた言葉が、「みんな同じ条件だから」でした。ますます「はぁ?」です。ですが、私はここで妥協してしまったのが大きな敗因でした。この時は、法律などの知識や一般常識にも疎く、これが現実なのだと受け止めて言われるがままに働かされるしかなかったのです。
私はこの4ヶ月後、ついに我慢の限界によって、この会社を自己都合退職しました。いわゆる「一身上の都合で…」というやつです。会社に負けた気分でした。はっきりいって悔しかったです。この会社には、前職から勧誘されて入社しただけに、前の会社にいた方がよっぽどマシだったじゃないかという思いでいっぱいでした。
ですが、この頃、私にはそんな会社に対抗するべく知識もなく、ほぼ泣き寝入り状態でした。そして、このとき私は強くこう思いました。求職票でだまされるのはわかっている。入社してからの実情も自分の思い描いていたものでもないこともわかっている。けれど、どうせ騙されるのがわかっているならば、知識を身に付けて会社に対抗する術を身に付けよう!、と。
私はこの会社を退職後、失業手当をもらえる状態にありながら、もらいませんでした。もらえなかったのではなく、もらわなかったのです。その理由は、当時、雇用保険に対する知識がまるでなく、雇用保険がどういうものかすら理解していなかったからです。単にバカなだけじゃないか、そう思われた方もいることでしょう。そう、バカだったのです(笑)。
この時、損をしないための退職の仕方を知識としてもち、きちんと心得てさえいれば、退職後の精神的なダメージはもっと少なくて済んだだろうし、次の会社に転職するまでの期間も、もっと短くてすんだのかもしれません。
退職後しばらくしてから、私は図書館で偶然目にした失業保険や年金、税金に関する書物を何冊か読み、ようやく気づきました。「あれ?自分って損な辞め方していたんだな~」ということです。この「気づき」の要素は何事に対しても大切なものです。そして、その気づきから知識へと発展させていくことはもっと重要な事だと思います。
例えは変ですが、ストーンヘンジだって知らなければただの岩です。しかし、そのストーンヘンジはいつ?誰が?何のために作ったのか?という知識を持って見るのと、全くなんの予備知識もなく見るのとでは、見つけられるはずだった小さな岩に気づける人と、そうでない人とに分かれてしまうのです。
退職に関してもほぼ同じような事がいえると思います。知識として持ってさえいれば退職後に得をすることができるのに、知らなかったがためにたくさん損をしてしまうことになるのです。さらに悪い事には、自分が損をしたことにすら気づいていないという事です。この先、生きていく上で自分を守るための知識は決して邪魔にはなりません。知識があるからこそ、気づけなかったものに気づけるようになるのですから。
このサイトを制作するにいたった経緯は、せっかく勉強したこの知識を無駄にしないように備忘録として残しておくという意味をこめて、そして、これから退職を考えている方々にとって当サイトが少しでも役に立てればといいなという思いで制作いたしました。十分にお役に立てるかどうかはわかりませんが、是非、当サイトを使い倒して上手な退職の仕方を身につけていってください。
あなたが上手な転退職ができることを影ながらに応援しています♪