人材ビジネスには、主に以下のような種類に分けられます。人材派遣会社としてスタートさせた大手企業の多くは、以下の事業を総合的に手がけており、人材総合サービス会社として派遣先企業と派遣スタッフにサービスを提供しています。
・ 人材派遣
・ 人材紹介
・ 再就職支援
・ アウトソーシング
派遣会社大手のホームページのフッター部分を確認してもらえるとわかるのですが、以下に示すように複数のサービスにリンクが貼られているのを見かけます。これは、まさしく、ひとつの会社で複数の人材ビジネスを展開していることに他なりません。
転職情報 | 紹介予定派遣 | 人材派遣 | 人材サービス
新卒・第二新卒 | アルバイト | ○○請負
このようにひとつの会社、もしくはグループ企業全体で複数のサービスを平行してこなすワンストップサービス型の派遣会社が急増しており、これから派遣社員として働いていこうと考えている方は、これらの人材ビジネスの違いについてきちんと理解しておきましょう。
(1) 人材派遣
人材派遣ってなぁに?でも説明したように、人材派遣は、「派遣スタッフ」「派遣元(派遣会社)」「派遣先企業」の三角関係で成り立っており、「必要なときに」「必要な人材を」「必要な期間だけ」という短いフレーズが人材派遣業界そのものを端的に表す言葉として用いられています。
インターネットの求人広告で応募しているのは、主に人材派遣会社の派遣スタッフです。
(2) 人材紹介
人材紹介とは、人材紹介会社と呼ばれる会社が提供しているサービスのことで、求人先企業に対して、そのニーズに適した求職者を有料で紹介・斡旋する紹介事業のことをいいます。
人材紹介会社は、派遣スタッフひとりを求人先企業に紹介するだけで、派遣スタッフの年収の25%~30%ちかい手数料を請求し、会社としてなりたっています。例えば、単純に計算して、ある労働者の年収が400万であるとした場合、100万~120万相当の利益が発生します。
それゆえに、求職者は、人材紹介会社を無料で利用することができるのです。
■人材派遣と人材紹介の違いについて
人材紹介事業は、転職情報サイトや派遣会社と混同されがちですが、それぞれ違いがあります。人材派遣は、求職者は人材派遣会社と雇用関係を結ぶのに対し、人材紹介会社では、求職者は就業する企業へ正社員として直接採用されるので、さまざまな保証を受ける事ができます。
(3) 再就職支援
文字通り、再就職を支援することを主な目的とした人材サービスのうちのひとつです。求職者には、専門の専任のカウンセラーによるカウンセリング、再就職活動のためのノウハウ、独自の求人情報の提供します。無料研修や資格取得支援などの教育制度を用意している会社もあります。
人材紹介と同様に、再就職支援会社と求職者の間には、雇用関係はありません。あくまでも、求人先企業に、正社員もしくは契約社員などの形態で就職することを支援します。
(4) アウトソーシング(請負)
アウトソーシングでは、注文先企業と請負業者との間には、「請負契約」が結ばれ、請負業者と労働者との間に「雇用契約」が結ばれます。
アウトソーシングもまた、人材派遣と混同されがちですが、人材派遣では、派遣先企業に指揮命令機関があるのに対し、アウトソーシングでは、たとえ実際の就業場所が注文先企業であっても、請負業者と労働者との間に指揮命令機関があります。